神戸市垂水区にある春藤歯科医院は、1985年の開院以来、地域の皆様に寄り添った歯科医療を提供して参りました。歯を削るだけでなく、患者様の全身の健康を考慮し、口内の健康が全身に直結していることを念頭に置いた治療を心がけております。
このブログでは、当院の理念や取り組みについてより深く理解していただくとともに、皆様のお口の健康に役立つ情報を発信してまいります。
今回は、“しゃくれ”についてお話しいたします。
しゃくれ(受け口)とは
しゃくれ、専門的には「下顎前突(かがくぜんとつ)」や「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれる症状は、下の前歯が上の前歯を覆っている歯並びのことを指します。正常な歯並びでは上の歯が下の歯を覆っているのに対し、しゃくれでは逆になります。この状態では、噛むときの力のかかり方が上下逆になり、奥歯や顎に過大な負担がかかる危険性があります。
しゃくれの3つのタイプ
しゃくれには、主に3つのタイプがあります。
1.歯槽性
歯の位置の異常が原因。上の前歯が内側に、下の前歯が外側に向かって生えることで生じる。
2.骨格性
下あごの骨そのものが大きい、または上あごに対して前方に位置している状態。遺伝的要素が大きい。
3.機能性
自然な咬み合わせをしようとすると前歯が先に当たってしまい、顎を不自然に前に出して奥歯で咬む必要がある。
しゃくれを放置するリスク
しゃくれを矯正せずに放置すると、以下のようなリスクがあります。
・ 歯への過度な負担により、歯肉の退縮や歯のグラつき、欠損につながる可能性がある
・ 骨格的なあごの歪みが進行し、さらに矯正が困難になる
・ 食事や発音に制限が出る
・ 顎関節症のリスクが高まる
早期の診断と治療が、これらのリスクを軽減するために重要です。
しゃくれの原因
しゃくれの原因には、以下のようなものがあります。
・ 遺伝的要素
・ 幼少期からの噛む癖や舌の位置
・ 歯の生え変わりの際に正しく位置を取れなかった
・ 口呼吸や下顎を前方に突き出す癖などの生活習慣
・ 成長過程における上顎と下顎の成長バランスの問題
これらの原因を把握することで、適切な治療方針を立てることができます。
しゃくれの矯正方法
しゃくれの矯正方法には、主に以下の3つがあります。
マウスピース矯正
比較的軽度〜中程度のしゃくれに適用可能。透明で薄いマウスピースを使って徐々に歯を動かす。
ワイヤー矯正
歯の表側に装置(ブラケット)を着け、ワイヤーの引っ張る力で歯並びを整える。マウスピース矯正より短期間で歯を大きく動かせる。
外科手術
骨格に問題がある場合に適用。骨の構造そのものを改善するため、根本的な解決が可能。保険適用の場合もある。
患者様のしゃくれのタイプや程度、ライフスタイルなどを考慮し、最適な矯正方法を選択することが大切です。
しゃくれでお悩みの方はご相談ください。
しゃくれは、見た目だけでなく、お口の健康にも影響を及ぼす可能性のある咬み合わせの問題です。放置せず、早期に専門医の診断を受けることをおすすめします。当院では、患者様一人ひとりに合わせた最適な治療をご提案いたします。しゃくれでお悩みの方、歯並びを改善したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。