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歯と身体能力の関係
身体能力向上は年齢に関わらず見込めるものですか?
はい、年齢を問わず身体能力の向上は見込めます。私が使用している筑波大学が開発した「姿勢カルテ」というアプリを使って矯正前後の姿勢の変化を測定しています。例えば、野球教室の子どもたちでこのアプリを使って測定したところ、噛み合わせを調整しただけでスコアが10点向上した例があります。
スポーツ選手からの相談はありますか?
そうですね、今後ますますニーズが高まると思います。たとえば、走る速度を少しでも速くしたいという選手は、噛み合わせを調整するだけで改善が見られる場合があります。カール・ルイスのように、過去にも走る速度を上げるために噛み合わせを調整した例があります。
姿勢と噛み合わせの関係については、リハビリテーションでも考慮される時代が来ると思いますか?
はい、その時代が来ると思います。姿勢の問題は、ヘルニアをはじめとするさまざまな健康問題に関係していることが多いので、噛み合わせの調整でこれらの問題の予防が可能になると考えています。
実際にマウスピースをつけてからどのぐらいで効果を実感できますか?
効果を実感する時間は個人差があります。マウスピースを入れると顎が少し自由に動きやすくなるため、噛みやすい位置に顎が移動するので、すぐに少し改善するのを感じることがあります。
歯と身体能力の関係、3つの重要なポイント
運動時の歯の食いしばり
多くのスポーツで、選手たちは力を発揮する際に歯を食いしばります。例えば、陸上の100メートル走のスタートダッシュや、ドッジボール、野球、サッカー、バレーボールなどの動作時に、歯を噛むことでパフォーマンスが向上することがあります。これは、歯を噛むことで全身の筋肉がより効果的に働くためです。
バランスと顎の関節
顎の近くには三半規管という、体のバランス感覚に重要な役割を果たす部分があります。歯並びや噛み合わせが悪い場合、これに影響を与え、顎の筋肉に左右の不均衡が生じます。これにより、体全体のバランスが崩れ、重心のズレやスポーツパフォーマンスの低下につながります。
噛み合わせの問題
不適切な歯並びや噛み合わせは、顎や頭の位置の不安定さを招きます。これにより、頭の筋肉が緊張し、肩こりや首のこり、さらには顎関節症や頭痛の原因となり得ます。これらの問題は、体全体のバランスを崩し、運動能力の低下に繋がることがあります。
スポーツ選手の間で増えるカスタムメイドのスポーツマウスピース
トップアスリートたちの中には、自分の歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースを使い、噛み合わせを補正し、歯の損傷を防ぐ選手が多くいます。この小さな工夫が、運動能力に大きな影響を与えることがあります。
マウスピースは運動能力に与えるメリット
身体バランスの安定化
スポーツパフォーマンスにおいて、身体バランスは極めて重要です。バランスが崩れると、無駄なエネルギー消耗が増えます。実験によると、軽く噛むことで身体バランスが安定し、噛み合わせが正しくないとバランスが崩れることが確認されました。
筋肉の活動の高まり
筋力はスポーツパフォーマンス向上に欠かせません。歯を噛みしめることで、筋肉の活動が活発になります。実験では、ガムを噛んだ後の膝関節の筋力が、噛まなかった場合より約8%増加する結果が見られました。
脳の活動量の増加
スポーツ中の脳は、選手の動きをコントロールするために重要です。噛む行動は脳への血流を促し、反射神経や記憶力、判断力、集中力を高める効果があります。
噛む力と全身のパフォーマンス
スポーツ選手にとって、また日常生活においても、「噛む力」がいかに重要であるかをご紹介しました。良い噛み合わせと適切な歯並びは、身体のバランスを安定させ、筋肉の活動を高め、さらには脳の機能を向上させます。これらはすべて、スポーツのパフォーマンス向上に直接的に影響します。したがって、歯並びや噛み合わせの問題に気付いたら、速やかに専門の歯科医院に相談することが、自身の健康やスポーツにおける成果を最大化する鍵となります。日々の生活の中で、口腔の健康を意識し、全身のパフォーマンス向上につなげましょう。当院でも、カスタムメイドのマウスピースの制作を承っております。患者様の歯の状態と全身の関係をしっかりと診させていただいた上で作成をさせていただいております。