神戸市垂水区にある春藤歯科医院は、1985年の開院以来、地域の皆様に寄り添った歯科医療を提供して参りました。歯を削るだけでなく、患者様の全身の健康を考慮し、口内の健康が全身に直結していることを念頭に置いた治療を心がけております。
このブログでは、当院の理念や取り組みについてより深く理解していただくとともに、皆様のお口の健康に役立つ情報を発信してまいります。
今回は、“開咬”についてお話しいたします。
開咬とは
開咬(かいこう)は、歯科医療の分野では「不正咬合」の一種として分類されます。具体的には、奥歯をしっかり噛み合わせても、上下の前歯が接触しない状態を指し、「オープンバイト」とも呼ばれます。
開咬には主に次の2つのタイプがあります。
前歯部開咬
上下の前歯が接触しない状態
臼歯部開咬
奥歯が接触しない状態。
※一般的に「開咬」と言えば前歯部開咬を指すことが多く、本記事でもこちらを中心に解説します
開咬の原因
開咬には様々な原因がありますが、主に以下の要因が挙げられます。
遺伝的要因
顎や歯の大きさ、形状が遺伝的に決まることがあります。両親のどちらかが開咬の場合、子供も開咬になりやすい傾向があります。
悪習癖
指しゃぶりや爪噛み、唇を噛む癖、舌を前に出す癖(舌突出癖)、頬杖をつく習慣など。
口呼吸
鼻炎やアレルギーなどで口呼吸が習慣化すると、舌の位置が低くなり開咬の原因となることがあります。
舌の機能異常
舌小帯が短い(舌小帯短縮症)、舌が大きすぎる(巨舌症)など。
これらの要因のうちの1つ、または複数が作用して、開咬が引き起こされることがあります。
開咬のデメリット
開咬は見た目の問題だけではなく、放置すると様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
咀嚼機能の低下
前歯で食べ物を噛み切ることができず、食事に支障をきたします。このことから、栄養バランスの偏りにつながることも考えられます。
発音の問題
特に「サ行」「タ行」「ラ行」の発音が不明瞭になりやすく、コミュニケーションに支障をきたす可能性があります。
口呼吸の助長
口を閉じにくくなり、口呼吸が習慣化しやすくなることから、口腔内の乾燥や風邪のリスク増加につながります。
特定の歯への負担集中
前歯が接触しない場合、奥歯に過度な負担がかかるため、歯の摩耗や破折のリスクが高まってしまいます。
虫歯・歯周病のリスク増加
歯磨きがしづらく、口腔衛生状態が悪化しやすくなります。また、唾液の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
顎関節症のリスク
不安定な噛み合わせにより、顎関節に負担がかかりやすくなります。
全身への影響
噛み合わせの不安定さが姿勢の乱れを引き起こし、肩こりや腰痛などの原因となる可能性があります。
開咬の治療法
開咬は自然に改善することはほとんどないため、早めに適切な治療を行うことが重要です。
主な治療法には以下のようなものがあります。
表側矯正
歯の表面にブラケットを取り付けて、ワイヤーで歯を動かす治療法です。
裏側矯正
歯の裏側にブラケットを取り付ける治療法です。
マウスピース矯正(インビザライン)
透明なマウスピース(インビザライン)を装着し、矯正する治療法です。治療の段階に合わせてマウスピースを交換することで、歯を少しずつ動かしていきます。
開咬でお悩みの方は、お気軽にご相談ください
開咬は、口元の見た目が気になるだけでなく、咀嚼機能や発音、全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があります。当院では、患者様の状態に合わせた治療方法を提供し、開咬の改善に向けた適切なサポートを行っております。開咬でお悩みの方、あるいはお子様の歯並びが気になるという方は、お気軽に当院にご相談ください。